誰かがマスコミやネットで叩かれていると、ついつい他人に迎合して悪い印象を持ってしまうことはありませんか?
自分はそれほど思っていないのに、世の中の風潮に同意して「あの人はきらい」「あのドラマはつまらない」と感じてしまいます。
これは『社会的証明の法則』と呼ばれています。
一方で、「人は好意をもっている人の頼みは断りにくい」という一面もあります。
これは『好意の法則』と呼ばれています。
どちらも、けっして悪いことばかりではない心理なのですが、周りの風潮に流されてしまうと思わぬ損をしてしまうことも。
今回は、この「社会的証明の法則」と「好意の法則」についてご紹介します。
日本人は世間に迎合してしまう人が多い
自分の周辺の身近な人が評価している商品や人物のことを、ついつい信用してしまう。
日本人はずっと昔から農耕民族。
周囲に同調して揉め事を起こさないようにしてきました。
自分流で自由に生活するより、周囲の人たちと協力して作物を作ったほうがたくさん収穫できて効率的だったからです。
ところが、今ではマスコミ、インターネットで情報が氾濫してくるとそれがときに損をしてしまう結果になることもあるのです。
心理を利用したテレビショッピングの罠
「みんなが持っているならこの商品はきっといいものだろう」
この心理を巧みに利用したのはテレビショッピングです。
「注文が殺到しています!」とテロップが流れるは『社会的証明の法則』に基づいた誘導です。
好感度の高いタレントを起用して、「私も使ってます!」とすすめるのは『好意性の法則』です。
客席を映して納得してる様子を見せるのも、この応用ですね。
周囲の評判を高めることで、その商品の価値を高めることができます。
そこでつい通信販売でその商品を購入してしまうのです。
ほんとに欲しい商品なら問題ありませんが、買ってから後悔したことはありませんか?
心理学を悪用した犯罪とは
そんなに高額な商品でなければ、損害も少ないですが、犯罪にまでつながってしまうと話は別。
人間は簡単に騙されてしまうものです。
人間心理をしっかり理解して犯罪からは遠ざかるようにしましょう。
投資詐欺や怪しげなマルチ商法はこの心理をたくみに悪用します。
「たくさんの人が申し込んでみんな大儲けしています!」と思い込ませる手法です。
最初はそんなうまい話はない、と断っても身近な人から勧められると「やっぱりいいのかな」と気持ちが傾いてきます。
好意を寄せている人から「すごいいい商品があるけど、どう?」と勧められて嫌な気持ちにはなりにくいです。
好きな人から「みんなこれにハマっているから、私も買ってみたら私もハマった」と聞けば、すごく興味がわくでしょう?
好きな人にはNOとは言えない
『好意の法則』はシンプルで、「ひとは好意を持っている人の頼みは断りにくい」というものです。
セールスマンのコツは、顧客に好かれることだといわれています。
嫌いな人から買うより、好きな人から買いたいというのはごく自然な人間心理ですね。
見積もりは安いが、態度が横柄で感じ悪いセールスマンと、多少値段は高いが高感度が高いセールスマンだったらどうでしょう。
同じ商品なら好感をもっているひとのほうがいいですよね。
『好意の法則』も犯罪に使われる
「デート詐欺」「結婚詐欺」というものがあります。
ターゲットが男性なら何らかの方法で女性を接近させてデートに誘います。
感情移入させたあとで高額な商品を買わされてしまいます。
「好きな女性のためなら」「好きな人の前で恥をかきたくない」という心理が働きます。
金銭的な損害もありますが、精神的にも大きなダメージになってしまいます。
人を好きになるのは、人間の自然な行動です。
単純な心理だけに騙される確率もたかいのです。
まとめ
周囲に同調することは、社会で生活するための人類の智慧でした。
でも、それを悪用する勢力もあるのは事実ですね。
なにごとも余裕を持って対処するのが、損をしないコツです。
一度冷静になって考えてみましょう。