血液型の話ではないですよ。
日本では、血液型占いが昔から人気ですが、諸外国ではまったくといっていいほど浸透していません。
むしろ、血液型をたずねると「なぜあなたに私のプライバシーを教えなきゃならないの?」という雰囲気になるそうですね。
今回のタイプA、タイプBは性格傾向と心臓病との因果関係のタイプのことです。
タイプAとはなんだ?
血液型占いと似ていますが、これは、アメリカの医師が行動パターンと心臓病との因果関係を調査する中で研究が進んできたものです。
心臓病外来の待合室の椅子
アメリカの医師フリードマンが、心臓病の外来で待合室のいすの前の部分が異常に早くすり切れていることを不思議に思いました。
ほかの病棟でも同じいすなのに、心臓病の待合室のいすだけが早くいたんでいたのです。
そこで、心臓病の待合室の様子を観察してみました。
心臓病患者はわずかな時間を待つことにもイライラした様子で、すぐに立ち上がれるように浅く腰掛けている人が多いことを発見しました。
いすの前の部分がすり切れたのは、そのためだったのです。
せっかちな性格と心臓病
このことから、心臓病患者にはせっかちな性格が多いとの仮設をたて、性格と心臓病との因果関係を研究してきました。
1960年代のことですから、欧米では50年以上も研究が進んでいたんです。
その間、日本では食生活や生活習慣が欧米化してきて心臓疾患の患者が増えてきたため、日本式のタイプA判定法も開発されてきました。
これが気になるタイプAの行動パターン:あなたはあてはまる?
タイプAは簡単に言うと競争的、攻撃的、野心的で、行動的には機敏、性急。
常に多くの仕事を抱え込んで、せっかちなタイプです。
これだけ見ても、ストレスの多い生活が想像できますね。
こうした人は、心筋梗塞の発症率が約2倍高いと言われています。
日本でも、狭心症・心筋梗塞患者にはタイプA行動パターンが多い傾向がわかってきています。
もともと日本人は農耕民族なので、協調性が高くじっくり仕事に取り組むタイプなはず。
ですが、今の日本を見まわすとみんな常にセカセカしていますね。
もっとも日本人は「敵意」「攻撃性」はあまりみられなくて、性急さや仕事中毒といわれるようなタイプが多いようです。
まじめで適応力が高いのが日本人の特性です。
急激に社会構造が変化していくなかで、過剰に適応した結果がワーカホリックと言われるほどになったのでしょうか。
タイプA行動パターンの人は、いつも時間に追われてせかせかと行動しています。
しゃべるのも、食べるのも、歩くのも早いという特徴があります。
あなたのまわりにも必ずいますよね。
このような生活習慣を持つ人は、ある意味、自らストレスの多い生活しています。
ストレスを多く受けているにもかかわらず、そのことをあまり自覚していないことが多いのです。
そして、知らずに無理を重ねた生活をする傾向があります。
また、ストレスをかかえると血圧が上がる、脈拍が増えるなど循環器系に負荷がかかります。
これが心筋梗塞になりやすい原因と考えられています。
さらに、ストレスをまぎらすため、タバコやお酒の摂取量も多くなって、これも心臓疾患をすすめる結果に。
あなたは、タイプAにあてはまっている?
カンタンな自己診断法があります。
以下の記事の中ほどに診断表があるので試してみては?
心臓病や突然死と性格や行動(タイプA)が関係するって本当?/公益財団法人日本心臓財団
ところであなたは、エレベーターに乗ったらすぐに『閉まるボタン』を押していませんか。
もしかしたらタイプAかもしれませんよ。
編集後記
タイプAに心臓病患者が多いというのはショッキングですが、せっかちな人が必ず心臓病を患うとは限りません。
むしろ、せっかちに仕事を早く終えてしまって、夜や休日にはゆったり自分の時間を持つ。といったオンとオフを使い分けたほうがココロにもカラダにもよさそうです。
タイプAは野心や向上心、出世欲が強い傾向にあるので、うまくコントロールすれば人生にプラスになることもあるはずです。
とはいえ、心臓病との因果関係は気になるものですね。
今日一日は、エレベーターの閉まるボタンを押さずに過ごしてみてはいかがでしょうか?